アイデア勝負の国際協力

青年海外協力隊では、隊員が派遣される前に任地、配属先、カウンターパート(一緒に働く人)、主要業務が既に二国間で決まっています。つまり、相手国の要請に基づいて派遣が決定され、それから募集が始まり、訓練を経て派遣となります。

ただでさえ頻繁に変化のある途上国、上記のような手続きを経る間にも、現地の状況はあっという間に変わっていきます。任国に到着してから任地や配属先が変更されることもあり、モチベーションがいきなり下がってしまうことも少なくありません。

また、現地の人が隊員が何をしに任地に来たのかを知らないこともよくあり、配属先に到着したら「以前は必要だったがもういらない」と言われる、配属先またはカウンターパートがいない、カウンターパートから「お前とは働きたくない」と言われる(私はこのケースです)というようなこともよくあります。こうなると業務もままならない状態となり、「何のためにここまで来たのだろう」と悩む隊員も少なくありません。

この状況に立つと、隊員は「①続ける、②変える、③逃げる」のうち、どれかに進むことが多いです。

①続ける

 主要業務に固執し、自身の知識と経験を生かした様々な活動を通じて、元々期待されていたまたはそれに近い成果を示す。それを見た周囲の人々が注目し、向こうから協力したいという申し出が出てくる。

②変える

 主要業務に固執せず、自分の特技を活かして現地で貢献できることを見つけ、できる範囲で活動を行う。現地の人たちに密着した活動が多く、大きな成果を上げることも少なくない。また、それが元々の業務に結びつくこともある。

③逃げる

 現実逃避して現地から離れ、他の隊員の任地を訪問したり、国内国外の観光地を巡ったりして、自身の興味の向くままに行動する。この時間を経て、①や②に移行することも多い。

これを見て気付くことはないでしょうか?

そう、隊員は活動を通じて成果を求められているわけではないので、自分の思うとおりに活動できるということです。もちろん日本の国際協力戦略の一環として派遣されているわけで、一定の制限はかかるので、完全自由というわけにはいきませんが…。

いずれにしても自分のアイデア次第で、ある程度やりたいことを実現できるのが国際協力の醍醐味の一つだと思います。当然、相手国の状況に大きくされますが、長期で働けば協力者も増え、様々な問題もうまく解決しながら選択肢を増やすことができていきます。すべてがうまくいくわけではないですが…。

たくさんアイデアを持っていて、国際協力に少し興味のある方は、語学ができなくても国際協力活動に参加してみてはいかがでしょうか?ちなみに協力隊、日経ボランティア、コンサルティング企業、国際NGO、商社などの国際的企業など、世界で働く選択肢はたくさんありますので、是非調べて参加してください!

海外出張の多い二児の父のブログ

年の半分以上家族と生活できない40代開発コンサルタントの生活やその工夫、気持ちを書いてます!

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